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漢方耳寄り講座 第18回 夏の「三伏」と根本治療


  四川鍋

  7月から8月の暑いさなか、中国では毎年「三伏貼」とよばれる漢方伝統のぜんそく治療が行われています。
 ぜんそくに効果があるツボに漢方薬を貼り付けるというものですが、これは「冬病夏治」とよばれ、読んで字のごとく「冬の病気を夏に治す」という考えの下に行われる漢方ならではの治療方法のひとつです。
 個人差もありますが、一般的にぜんそくの発作期は「肺」に問題があり、それ以外の時期は「腎」「脾」あるいは「肝」に問題があると考え、それぞれ治療に当たります。もちろん使う漢方薬も異なります。
 夏の「三伏貼」に代表されるように、季節性のある慢性になりがちな病気の場合、季節にのっとった治療が行われるのも漢方の特徴のひとつです。
 実際に毎年の「三伏貼」の時期は、少しでも発作期の苦しさを軽減しようと、たくさんのぜんそくの患者さんで病院は混雑します。

担当:川村

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